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国税庁、耐震偽装は「災害」と判断 住民の所得税軽減へ


 耐震強度偽装事件で、国税庁は倒壊の恐れがあるマンションの住民が受けた被害について税制上の災害にあたると判断し、天災の被災者と同様に所得税の軽減措置を適用することを決めた。所得税法は地震や水害などのほか「人為による異常な災害」も災害に含まれると定義しているが、この規定が実際に適用されるのは珍しい。
 耐震強度偽装ではマンションの使用禁止命令が出るほどの深刻な被害が出ているうえ、住民が偽装に気づくのは難しかったことなどから災害と判断した。
 今後、補償が十分になされずに経済的な損失を受けた場合、住民は所得から損失の一部を差し引くことができる所得税法の「雑損控除」か、所得額に応じて税の減免率を定めている災害減免法か、有利な方を選んで申告できる。
 また、住宅ローン控除は租税特別措置法上、その対象となる年の12月31日に入居していることが条件だが、それ以前に退去しても災害が理由なら対象になる。このため使用禁止命令などを受けて住民が年末までにマンションを退去した場合も、今年の所得税の住宅ローン控除が受けられることになる。